明治２７年３月７日に明治憲法発布式典が明治宮殿内の正殿で行われた光景が描かれたもの。想像で描かれたものか、当時の写真を見て描かれたものか不明。絵の左上に「Kanae Wada」とサインがあるので、作者は「和田香苗」（１８９７～１９７７）だと分かる。ほかにも宮中の様子を描いた作品がある。和田は、大正９年に東京美術学校西洋画科を卒業。「第２回帝展」に入選。その後、シカゴとパリに留学。帰国後は、学校の教授や講師を務めながら画業を続ける。兄は、著名な洋画家の「和田英作」だ。当作は旧家の蔵から出てきたもので、立派なガラス入り額縁に入っていたが、保存状態が極めて悪かったため、絵具が特殊紙から剥脱している部分が散見できる。損傷が激しい額縁は廃棄し、ともかくニューライトフレームに入れ替えたもの。額縁の大きさは、８４．５ｘ６０．５ｃｍ。絵画自体の状態が良好だとは言えないので、ノークレーム・ノーリターンでご入札下さい。